(徒然道草その21)46億歳の地球になぜ海と陸があるのか
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(徒然道草その21)46億歳の地球になぜ海と陸があるのか

2017年01月27日(金)2:00 PM

地球に海と陸地があるのは何故だろうか?

宇宙のチリとガスと氷がくっついて星が出現し、その原始惑星が10個ほど衝突合体して、46億年前に地球は誕生した(ウィキペディアより)。地球の表面は、どろどろに溶けた熱いマントルが冷えて地殻となって固まり、6㌔から60㌔の厚さの岩石となって覆っている。その地殻を覆い尽くすほどの大量の海水が地球にはあるのに、なぜ陸地が生まれたのであろうか。

熱い豆乳の表面にできる薄い膜が湯葉である。その豆乳に凝固剤の「にがり」を入れると豆腐ができる。地球のマントルは何億年も表面が冷えて固まり、地殻ができた。海面に浮く巨大な氷も海流によって動くように、どろどろのマントルに浮いている固い地殻も動く。地球は24時間で一回転しており、この自転運動により、コップを回すと中の水が動くように、マントルは動く。動くと地殻は割れる。地球の地殻は、ひび割れた14枚のプレートに分かれている。

38億年前には地殻は海水の下にしかなかった。海洋地殻は玄武岩からなり、大陸地殻は花崗岩からなる。大陸地殻の方がおよそ10%ほど軽い。重い海洋地殻は、プレート移動により、少しずつ軽い大陸地殻の下に沈み込んで行き、再びマントルに飲み込まれる。地球に存在する大陸地殻は30数億年もの古いものもあるが、海洋地殻はせいぜい3億年のものしか存在しない。太平洋などの深い海底には中央海嶺があり、マントルはこの割れ目から噴き出し、新たな海洋地殻が生まれる。大陸地殻でもマグマとなって噴き出し、火山活動を引き起こす。

ではチリとガスと氷が集まってできた地球の内部のマントルはどうして熱いのか。宇宙の原始惑星が衝突すると、膨大なエネルギーが発生し、どろどろに溶けたマントルの中に、様々な岩石や金属が生まれた。マントルの表面は冷えて固まるが、内部では地球の自転や対流によって、金属流体に電流や磁場が発生して、マントルは高温のままで、固まることはない。

NHKのテレビ番組「グレートネイチャー」のディレクターに話を聞く市民講座に先日参加した。黄金の大地オマーンに取材した、地球誕生の物語である。

アラビア半島は6億年前に誕生した。10億年前に海洋地殻の割れ目ができてマントルが噴き出して盛んな火山活動が起き、4億年かけてアフリカプレートにくっ付いたアラビアの大陸地殻が生まれた。その後、プレート移動によって、巨大なユーラシアプレートと衝突したアフリカプレートは割れ、小さなアラビアプレートが誕生したが、5,000万年前まではアフリカと陸続きであった。

もともとアフリカプレートは地球の南極近くにあったため、3億年前の氷河の跡がオマーンにもある。また、ユーラシアプレートとの衝突で地殻が割れて、一億数千万年前には地球内部からマントルが地表に露出して、かんらん岩と呼ばれる枕状溶岩として固まった。「地球の内部にあるマントルを見ることが出来る」このオマーンには、世界中の地質学者たちが研究にやって来る。

インドプレートがユーラシアプレートの下に潜り込み、地殻が盛り上がって9,000㍍のヒマラヤ山脈が誕生したように、オマーンにもプレート衝突により、3,000万年前には、3,000㍍級のハジャール山脈が出現した。

オマーンには植物が全く育たない広い砂漠がある。そうした場所は、南極に次いで「世界で最も隕石の見つかるところ」でもある。隕石の国外持ち出しをオマーン政府は禁じている。しかし隕石ハンターたちはやって来る。「ときには一億円もする隕石が見つかる」そうである。



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