(徒然道草その23)月は毎年3.8㎝ずつ地球から遠ざかる
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(徒然道草その23)月は毎年3.8㎝ずつ地球から遠ざかる

2017年01月27日(金)2:05 PM

月はいつまでも地球の周りを回り続けるのであろうか?

 小惑星が衝突、合体して地球が誕生した46億年前、その一部が飛び跳ねて、地球の4分の1ほどの大きさの月が出来た。アメリカの宇宙飛行士が持ち帰った月の岩石と地球上の岩石がほぼ同じであることから、そう推測されている。誕生したばかりの地球と月の距離はずっと近くて、20分の1から16分の1でしかなかった。見かけの月の大きさも現在よりも400倍くらいもあった。

地球と月は重力で引き合い、自転と公転を続けているが、その回転スピードは今よりもずっと速かった。現在の月は29.5日で地球を一周するが、自転周期と公転周期が同じになっているので、常に地球に同じ面を向けている。そして地球は365日かけて太陽の周りを公転しているが、地球の自転速度は今よりも速かった。4億年前でさえ、一年が365日ではなくて、400日もあった。一日の長さが24時間ではなくて、2時間ほど短かったことになる。その証拠はサンゴの化石の中にある。ある種のサンゴは、季節変化による年輪だけではなく、昼と夜ではカルシュウムの分泌速度が違うため、日輪も残す。

 サンゴそのものは動物であるが、体内に褐虫藻という藻類を共生させている種類がある。この褐虫藻が太陽光によって光合成を行い、エネルギーをサンゴに供給する。このような褐虫藻によって育つものを造礁性サンゴと呼ぶ。

 日本の秋吉台、中国の桂林、バルカン半島のカルスト地方など、石灰岩が山となった地形が世界中に広く分布する。石灰岩は炭酸カルシュウム(CaCO₃)を50%以上含む堆積岩であるが、生物起源と化学的沈殿の2種類がある。もともとは太陽光の差し込む浅い海底にしか育たない造礁性サンゴが化石(石灰岩)となり、なぜ百㍍以上の厚さにまで堆積したのであろうか。

原始地球は月との距離が近いため、重力によって引き起こされる潮の干満は今の1,000倍もあった。また、38億年前には海底にあった海洋地殻がプレート移動により押し上げられて大陸地殻になっていくには数億年かかった。やがて生命が海の中に生まれ、あるものはサンゴに進化し、浅い海の中に造礁性サンゴの蓄積が始まった。氷河期や地球全体が凍る全球凍結など気候の変化により海面の高さも上下を繰り返した。こうした作用が重なり石灰岩は厚くなった。

 重力によって地球と月は綱引きのように引き合っている。しかし地球の周りを回る月には遠心力が発生する。重力がブレーキとなって、月の周回速度は次第に遅くなっていくが、その一方で、遠心力によって地球からは遠ざかって行く。月と地球の距離が遠くなれば、お互いを引き合う重力の影響は弱くなって行く。こうして、地球の海水の干満作用は穏やかになっていった。

 アメリカのアポロ計画やソ連のルナ計画で月面に反射鏡が設置された。この反射鏡に地球からレーザー光線を照射して、光が戻ってくるのに要する時間を計れば月までの距離を正確に測定できる。1969年にアメリカのマクドナルド天文台で初めて行われ、38万4,403㌔(約1.3光秒)であることが解明された。その後も各国の天文台で測定が続けられており、月は1年あたり平均3.8㌢の速さで地球から遠ざかっていることが分かっている。

 「宇宙は幻」であるとしても、あたかも光よりも速く流れる大河に浮かぶ星座の中では、渦に巻き込まれたり、衝突して壊れる舟があるがごとく、ブラックホールに飲み込まれてしまうものもあれば、重力のバランスを失って飛び散ったり爆発したりして、消え去る星もあることを、科学者たちは解明している。



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